2024年12月26日、女子プロレス団体「マリーゴールド」の東京・後楽園ホール大会「Winter Wonderful Fight 2024」が開催されました。
以前に当サイト「attra」で本人監修のもと紹介記事を掲載させていただいたグラビアアイドル・咲村良子さんのプロレスデビュー戦が行われるということもあり、プロレスファンおよびグラビアファンの両方から大きな注目を集めたこの大会。
咲村良子さんをはじめ女子プロレスラーの皆さんを応援するため、現地に足を運び、生で観戦させていただきました!
また、同大会では咲村良子さんと同じアイドルグループ「CLIPCLIP」でも活動し、先にプロレスデビューを果たしている南ゆうき(リングネーム:勇気みなみ)さんが出場するタッグマッチも行われています。
今回attraでは、咲村良子さんのデビュー戦シングルマッチ、勇気みなみさんのタッグマッチの様子をレポート。
さらには試合終了後、咲村良子さんからいただいたコメントを掲載しています!
- マリーゴールド後楽園ホール大会の概要
- 咲村良子さん&勇気みなみさんの出場試合レポート・結果
- グラビア×プロレスの今後
- 咲村良子さんインタビュー
ぜひ最後までご覧ください!
マリーゴールド後楽園ホール大会の概要
マリーゴールドは2024年5月20日、後楽園ホールで旗揚げ戦が行われた新進気鋭のプロレス団体です。
2024年12月31日現在、旗揚げ後まだ1年未満ながら他団体からの移籍や再デビュー、練習生のプロテスト合格などにより順調に選手層が厚みを増しており、今後の飛躍が確実視されています。
今回attraが現地で観戦したのは旗揚げ戦と同じ場所であり「格闘技の聖地」としてお馴染みの、後楽園ホールで開催された大会。
興行の概要は以下のようになっています。
興行名 | マリーゴールド後楽園ホール大会 「Winter Wonderful Fight 2024」 |
日程 | 2024年12月26日 |
時間 | 開場17:30/開始18:30 |
観客数(公式発表) | 708人 |
対戦カード (敬称略) | <第1試合> 橘渚 VS 田中きずな |
<第2試合> 咲村良子 VS 高橋奈七永 | |
<第3試合> 瀬戸レア&南小桃 VS 勇気みなみ&山田奈保 | |
<第4試合> 松井珠紗 VS ハミングバード | |
<第5試合> MIRAI VS 石川奈青 | |
<第6試合> 野崎渚&CHIAKI VS ボジラ&マイラ・グレース | |
<第7試合> Sareee&青野未来&天麗皇希 VS 林下詩美&桜井麻衣&後藤智香 |
全7試合が行われました。
メインイベントは「Sareee&青野未来&天麗皇希&翔月なつみ VS 林下詩美&桜井麻衣&ビクトリア弓月&後藤智香」の8人制タッグマッチを予定していましたが、ビクトリア弓月選手がインフルエンザ陽性のため欠場。
それに伴い、対戦相手の一人である翔月なつみさんがメインイベントの実況を担当しています。
第1試合の橘渚さん・第2試合の咲村良子さんは2024年5月に同期の練習生としてマリーゴールドに入団後、約8ヶ月のトレーニング期間を経て11月のプロテストに合格し、今大会が記念すべきデビュー戦。
橘渚さんも咲村良子さんと同じく、現役グラビアアイドルとして活動しています。
橘渚さんと咲村良子さんのお2人は、既にプロレスラーとしての経験がある勇気みなみさんから刺激を受け、プロレスへの愛が強くなったとのことです。
咲村良子さんは2024年12月13日に自身のSNSを更新。
プロレスラーとしてのデビュー戦が12月16日に決定し、またデビュー戦の相手に高橋奈七永さんを指名した旨を報告しています。
高橋奈七永さんは1996年にプロレスデビューした、一流のベテラン選手です。
同世代のプロレスファンなら誰もが知る女子プロレス界のレジェンドであり「女子プロレス界の人間国宝」というキャッチコピーがつけられています。
咲村良子さんが高橋奈七永さん相手にどのような試合を見せてくれるのか、ファンの期待を一身に背負ってのデビュー戦となりました!
グラビア・アイドル・経営者・プロレスラーと様々な顔を持ち「四刀流」とも呼ばれる、咲村良子さんの詳しいプロフィールや経歴・活動実績についてはattraの以下記事をご覧ください。
咲村良子さん&勇気みなみさんの出場試合レポート・結果
こちらでは、咲村良子さんおよび勇気みなみ(南ゆうき)さんが出場した、第2試合および第3試合のレポートと試合結果をお伝えいたします。
<第2試合>咲村良子 VS 高橋奈七永
(この項目では以下、「○○選手」表記)
高橋選手が先に入場し、続いてこの日がデビュー戦となる咲村選手が赤コーナーからリングイン。
立ち姿でのポーズを決め、グラビアアイドルならではの洗練された肉体美あふれる存在感をアピールします。
咲村選手は黒地に赤のラインを基調としたリングコスチュームで、両脚がアシンメトリーのデザインになっているのが特徴。
ゴングが鳴った瞬間から咲村選手がフェイントで攻撃を仕掛け、ドロップキックからエルボーを連打し、グラウンドへと持ち込みます。
攻守が入れ替わり高橋選手が逆エビ固めで絞り上げますが、咲村選手は身体の柔軟性を活かしてギリギリのところでポイントをずらし、最初のロープエスケープへ。
2人は165cmと同身長ですがウエイトでは高橋選手に分があり、打撃では押され気味の時間帯が多かったものの、グラウンドの攻防に関しては互角に渡り合っていた印象です。
パンチや平手打ちの応酬では高橋選手が咲村選手の攻撃を全て受け止めつつ、一発の威力で咲村選手を制圧。
喉元付近の鍛えにくい部分に効果的なダメージを与えるなど、咲村選手のスタミナを削っていきます。
一方で咲村選手の長い脚を活かしたキックは鋭いキレがあり、強靭な体幹を感じさせました。
後半はほぼ高橋選手に攻め込まれる苦しい展開となりましたが、一瞬の隙を突いた丸め込み技で逆転のフォールを狙うと、さらには吉田万里子直伝の複合サブミッションである「蜘蛛絡み」で勝利への執念を見せます。
しかし再びスタンディングでの打撃戦になると、平手打ちを連打する咲村選手に対し高橋選手はショートレンジからのラリアットでリングに沈め、完全に主導権を握る流れに。
この後はカナディアンバックブリーカーからコーナーに張り付けてのボディスプラッシュ、急角度のバックドロップと畳み掛けます。
最後は変形STFの一種である決め技「タルサンハート」で咲村選手からタップを奪い、高橋選手の勝利。
残念ながら咲村選手の初勝利は次戦以降に持ち越しとなりました。
ただ咲村選手は終盤スタミナを消費し尽くしながらも高橋選手のフォールを再三カウント2で乗り切る驚異的な粘り腰を発揮し、タルサンハートを繰り出す直前には一瞬攻めあぐねているような仕草を見せていました。
試合時間も10分を超えており、本来もっと早い段階でキャリアの差を誇示して勝つつもりだった高橋選手を少し戸惑わせるほど大健闘したといっていいのではないでしょうか!
咲村選手はなんといっても身長が高く、キックのスピードやグラウンドでの器用さと柔軟さにも非凡なセンスを感じますので、同時期にデビューした若手選手達との対戦が今後増えれば勝利を積み重ねていく可能性は高いといえるでしょう!
<第3試合>瀬戸レア&南小桃 VS 勇気みなみ&山田奈保
(この項目では以下、「○○選手」表記)
勇気&山田組が先に入場。
マイクを持った山田選手が歌いながらリングインするという、女子プロレスならではの華やかなパフォーマンスを披露してくれました。
勇気選手は緑と黄緑のハニカム模様がスタイリッシュなリングコスチュームが印象的。
序盤は山田選手が南選手に攻め込まれますが、交代した勇気選手が高さのあるドロップキックやミサイルキックなど彼女得意の空中技でペースを掴みます。
勇気選手も身長166cmでなおかつ脚が長いためキックのリーチも長く、一撃で試合の流れを変えるフィジカル面での優位性があるといえるでしょう。
南選手からタッチを受けた瀬戸選手は非常に柔軟かつ俊敏な身体能力とオリジナリティーのある奇抜な攻め筋、グラウンドでの支配力に長けており、南選手もなかなか攻略に苦戦していた様子でした。
キーロックなど渋いサブミッションを仕掛けてくる瀬戸選手に対し、勇気選手もスタンディングポジションで腕を固定したままのジャイアントスイングからリングに叩きつけるなど、上背を活かした大技で技巧派の瀬戸選手に対抗。
終盤は瀬戸選手VS山田選手の攻防が続き、南選手が勇気選手を牽制している間に瀬戸選手の丸め込み技がガッチリと決まり3カウント。
瀬戸&南組の勝利となりました。
7分43秒という、咲村選手のシングル戦より短い試合時間での決着となり、勇気選手に関しては中盤での瀬戸選手との攻防で持ち味を出しつつも勝機に持ち込めず、相手タッグの連携の巧さに足元をすくわれた形に。
勇気選手をわずか数分間でしたが生で観戦することができ、そのポテンシャルの高さが存分に伝わってきましたので、今後マリーゴールドを牽引する若手選手のエース格となることを期待したいですね!
グラビア×プロレスの今後
アイドルのセカンドキャリア問題が真剣に議論されるようになった昨今において、特に目立つのがプロレス界へと転向するアイドルです。
プロレスの衣装は身体のラインが出やすく、地肌の露出も比較的多いのが特徴。
そのため、アイドルという大きな枠組みのなかでも、普段から水着撮影などをこなしておりボディメイク意識の高い「グラビアアイドル」の領域で活躍してきた女性は比較的プロレスと相性が良いといえるでしょう。
こちらでは「グラビア」と「プロレス」という2つのジャンルが今後どのように融合していくのかについて述べていきます。
プロレスの衣装はセクシー?
言うまでもなくプロレスはお互いの肉体を激しくぶつけ合う競技ですので、水着に近い露出度の衣装を着ていてもお構いなく全身をフルに躍動させます。
グラビアは自分の意思でポーズを制御することができますが、プロレスは相手に投げられたり関節技をかけられたりすると、場合によってはグラビア以上に大胆な体勢になることも。
もちろんグラビアアイドル出身の女子プロレスラーに限らず、専業の女子プロレスラーであってもドキッとするような場面が時々発生します。
最近は全体的にビジュアルの可愛い女子プロレスラーが増えているので、なおさら彼女達の露出の多い衣装に対して「女性であることを意識」しがちです。
女子プロレスラーの衣装を「グラビアを眺めるような目」で見ることの是非に関しては、レスラー側でも様々な意見がありますので、すぐに結論を出すのは難しいところ。
ひとつ言えるのは、女性が自身の肉体をストイックに鍛え、勝利にこだわり戦う姿そのものに美しさを感じ、憧れを抱くのは健全な感情であるといえるでしょう。
局所的なパーツばかり凝視するのは明らかにプロレスの正しい観戦方法と乖離していますが、女子プロレスラーとしての「強さ」に「色気」を感じるのは問題ないと思われます。
「グラレスラー」とは?
今回観戦させていただいた「マリーゴールド」に所属する勇気みなみ(南ゆうき)さんには「グラレスラーの新星」というキャッチコピーがついています。
グラレスラーとは「グラビア」と「プロレス」を足した造語であり、勇気みなみさんのようにグラビアアイドルとプロレスラーを兼業している選手のことを指すようです。
第1試合に出場した橘渚さんはもちろん、会社経営やライブアイドルなどいくつもの顔を持っている咲村良子さんも広義の意味では「グラレスラー」といえるでしょう。
逆に、女子プロレスラーとしてデビューした選手がビジュアル面の可愛さで注目されるようになり、出版社などからオファーを受けてグラビアデビューするパターンも。
昭和の頃からアイドル的なキャラの女子プロレスラーがグラビア写真集をリリースするケースは多々ありました。
その後、プロレス自体の試合スタイルの変化や選手の多様性の拡大で、グラビアアイドルとほぼ変わらない容姿の選手が大勢活躍するようになり、グラビア業界とのカジュアルな相互交流が活性化されていったといえます。
プロレスもグラビアも高度な身体能力や表現力を必要とする専門職であり、たとえ片方の世界でもトップクラスを目指すのは決して簡単なことではありませんが、咲村良子さんのようにマルチな才能を持った人材が両分野を繋ぐ架け橋になればさらに盛り上がりそうです!
咲村良子さんインタビュー
今回、attraでは事前に質問を用意し、デビュー戦が終わったあとの咲村良子さんにインタビュー形式で回答をいただきました。
プロレス人生で一度しかないデビュー戦にどのような気持ちで臨んだのか、グラビアに軸足を置きながら真剣にプロレスと向き合うための肉体改造方法など、咲村良子さんのリアルな心境をお伺いした内容となっております。
――今日の自分のプレーを10点満点で評価すると何点でしょうか?
咲村良子さん(以下、咲村良子) 12点です。奈七永さん相手に11分近く試合をした自分を誇りに思いたいという気持ちでこの点数にしたいです。
――デビュー戦に臨むにあたって、特に意識したことは何でしょうか?
咲村良子 とにかく「全力」で「全部」をぶつけることです。
――グラビアのために魅せる身体から、プロレスに使える身体に肉体改造をしたかと思います。
今後はどういう方針でボディメイキングをしていく予定でしょうか?
咲村良子 グラビアでの私の身体の弱点はボリューム感のなさでした。プロレスでの肉体改造がそれをフォローしてくれるように感じています。
グラビアはもちろん、プロレスもできる咲村良子としてベストなボディメイクを模索したいです。
――ありがとうございました!次戦も期待しています!
まとめ
今回attraでは、2024年12月26日に開催された女子プロレス団体「マリーゴールド」後楽園ホール大会を観戦し、当サイトで本人紹介記事を監修していただいたことのあるグラビアアイドル・咲村良子さんのプロレスデビュー戦を中心にレポートいたしました。
実はこの日、咲村良子さんデビュー戦の相手を務めた高橋奈七永さんは2025年5月をもってプロレスラーを引退することを表明しています。
高橋奈七永さんはおそらく現役生活で「デビュー戦の相手」をするのが最後になるであろうと言われており、咲村良子さんにとっても単なるデビュー戦を超えて「女子プロレス界のレジェンドと同じ時代にリングで戦うことができた」貴重な一戦といえるでしょう。
咲村良子さんおよび「マリーゴールド」が女子プロレスを代表する存在になれるように、ファンも全力で応援していきたいですね!